
自慢じゃないが、俺は普段全く家事をしない。
特に、洗濯は嫌いだ。
すべて、嫁任せだ。
ちなみに、共働き家庭だ。
じゃあ、あんたは何をしているの?と問われれば
なんか、そう、いろいろしてる。いろいろ。
とある日曜日、朝一で温泉に行った。
ちなみに、俺は内湯に入らない。
体洗う→露天風呂→サウナ→水風呂→外気浴→サウナ→水風呂→外気浴
いつも、このルーティンで整わせてもらってる。
この日は、いつも以上に整ってしまい非常に気分が良かった。
家に帰ると、嫁はいない。
買い物にでも行ったのかな?
そんな事を考えながら、洗濯物を洗濯機にいれる。
洗濯機の中は、いっぱいだ。
気分が良かった俺は、普段全くしない洗濯をすることにした。
洗濯機が終わった音が鳴り、乾燥機にぶち込む。
今住んでるアパートは、3キロの家庭用ガス乾燥機が付いている。
2分くらい経って、乾燥機が止まる。
なんだ?また、回す。止まる。
これを、5回くらい繰り返した。
なんだこの乾燥機。だんだんイライラしてきた。
俺の住んでるアパートは、隣がコインランドリーなのでもうそっちにぶち込むことにした。
行ったはいいが、空いてない。
いや、でも止まってる乾燥機がいくつかある。
「取り出すか...」
取り出し用の白いかごに取り出していく。
幸か不幸か、女性ものの下着が入っていて
何か自分がとてもいけない事をしているような気分になった。
しかし
あくまでも!!
自分は、作業をしてますよ?
的なちょっと、だるい顔をしながら取り出す。
そして、洗濯物をぶち込み乾燥スタート。
30分経って、取りに行った。
さっき、取り出した洗濯物は白いかごに入ったままだ。
(まだ取り来てないんや)そんな思いながら
自分ちの洗濯物を取り出し家に帰る。
なんか、たったこれだけの作業なのにかなり疲れて
とりあえず、YouTube見ながらヨギボーでゴロゴロした。
さて、畳むか
ん?
え?
なにこのパンティー?
めっちゃ、初見なんですけど。
こんなパンティー持ってたかな?
俺は、次第に全身から嫌~な汗が噴き出してきた。
(ちょっと待てよ、前の人の洗濯物全部取り出したよな?)
(いや、手前の見えないところにあったなんて可能性もあるんじゃないか?)
「・・・・・・・・・。」
いやっ、下着ドロボーじゃねぇか!!
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
慣れないことをしてとんでもない事になった。
俺は、パニックになり初見のパンティーを握りしめ頭をかきむしった。
待て待て待て、こうゆう時こそ冷静さを失うな!そう自分に言い聞かした。
まずは、このパンティーが誰のものなのか?の事実確認からだ。
俺は、スマホでパンティーの写真を撮り
嫁に「このパンツ持ってたっけ?」とLINEした。
しかし、既読は付かない。
事態は一刻を争う。
もし、このパンティーが前の持ち主ならば
洗濯物を家に持ち帰り、畳んでいる時に気付くだろう。
「あれ、私のパンティーがない...」
そして、通報だ。
コインランドリーの防犯カメラの映像を確認。
そこには、洗濯物を取り出している中年のおっさん(俺)がバッチリ映っている。
完全に、アウツ。
ニュースになり、職を失い、
地元では、噂が広がり帰りづらくなり
知らない土地で、パンティー泥棒の十字架を背負いひっそりとその生涯を終える。
そんなネガティブな妄想が頭ん中を支配する。
まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい。
嫁に鬼電するも出ない。なんしとんねん、こんな時に…
「このパンティーは一体誰のなんだぁぁああ!」俺は叫んだ。
そして、項垂れた。
さっきまで、「整いました」なんて言っていた俺はもうどこにもいなかった。
その時!嫁から電話がかかってきた!
嫁「なに、あの写真?」
俺「いや、いいから!持ってた?あのパンツ?!」
嫁「あ!まさか、かぶろうとしてる!?(笑)」
俺「今、そんな冗談言ってる場合じゃなくぁwせdrftgyふじこlp」
嫁「は?意味わからん」
そりゃ、そうだろう。
普段全く家事をしない男が、洗濯をし乾燥機にかけ
そして、いま現在下着泥棒になりかけているなんて一体誰が想像できるだろうか?
俺「いいから!!持ってた?!持ってない?!どっち?!」
嫁「え、持ってたけど。なんなの?キモっ」
ガチャ。
俺は、その瞬間パンツを握りしめた拳を空高く掲げた。
せんぱいからのアドバイス
① 嫁の下着はすべて把握すべし
② 前の人の洗濯物を取り出した際には指差し呼称
③ 余計なことはするな
以上だ。